小児歯科ブログ

小児歯科でのレントゲンに関するよくある質問

・子どもにレントゲンを撮っても大丈夫?
・放射線の影響が心配…
・何歳から必要なの?
・どういうときに撮るの?
・撮影後に気をつけることってある?

そんな不安を抱えながら、小児歯科でのレントゲン撮影に戸惑う親御さんも多いのではないでしょうか。

レントゲンは、むし歯や歯並びのチェックなど、子どものお口の健康管理において大切な検査のひとつです。

この記事では、小児歯科でのレントゲン撮影について、よくある疑問や不安にやさしく答えていきます。

「どんなときに必要なのか」「被ばくのリスクはあるのか」「撮影時に親ができること」など、知っておくと安心できるポイントをまとめました。

この記事を読むことで、レントゲンに対する不安がやわらぎ、納得したうえでお子さんの健診を受けられるようになります。

最終的に、「レントゲン=怖い」から「レントゲン=安心して使えるツール」として前向きに捉えられるようになることが、この記事のゴールです。

小児歯科でレントゲンを撮る理由とは?

小児歯科での診療時にレントゲン撮影を勧められたとき、多くの親御さんが「本当に必要なの?」と感じるのではないでしょうか。しかし、レントゲン撮影は、目に見えない部分まで正確に把握するために欠かせない検査です。

子どもの歯や顎の成長はとてもスピーディーで、外見からでは判断しにくい変化が起こることがあります。特に以下のようなケースで、レントゲン撮影が推奨されます。

  • 乳歯の下にある永久歯の位置や本数を確認したいとき
  • 歯と歯の隙間にむし歯があるか確認したいとき
  • 歯並びや顎のバランスをチェックしたいとき
  • 歯の根っこの状態や、見えない部分の炎症を確認したいとき

これらは、視診や触診だけではわからない情報です。レントゲンを使うことで、より早期に異常を発見し、適切なタイミングで治療や予防策を講じることができます。

また、小児歯科では子どもの年齢や成長段階に応じて、必要最低限の撮影範囲・頻度で行うため、安心して受けられる環境が整っています。

レントゲンは、「将来の健康な歯並びと噛み合わせ」を守るための大切なツールです。親としてその目的をしっかり理解することで、お子さんの診療に前向きに向き合えるようになります。

子どもにレントゲンは安全?被ばく量が気になる方へ

「子どもにレントゲンを当てても大丈夫なの?」と心配になるのは当然のことです。特に放射線という言葉に敏感になっている親御さんも多く、できるだけ避けたいという気持ちも理解できます。

しかし、小児歯科で使用されるレントゲンは、極めて低い被ばく量で撮影が可能な設計になっており、安全性が確保されています。最近ではデジタルレントゲンが主流となっており、従来のフィルム型に比べて放射線量を大幅に抑えることができます。

実際、子どもが一度の歯科レントゲンで受ける放射線量は、日常生活で自然に受けている放射線(自然放射線)よりも少ないレベルです。たとえば、飛行機での移動や、普段の食事、建物の中で生活しているだけでも、わたしたちは少なからず自然放射線を浴びています。

また、撮影時には鉛の防護エプロンを使用して、体の大切な部分をしっかりと守ります。小児歯科ではこうした安全対策を徹底しており、必要以上の撮影は行わないのが基本です。

親として、リスクとメリットを比較し、納得して選ぶことが大切です。レントゲンによって早期発見・早期対応が可能になり、結果的にお子さんの口腔健康を守ることにつながります。

レントゲン撮影は何歳から?タイミングと頻度の目安

「うちの子はまだ小さいけれど、レントゲンってもう必要?」と疑問に思う親御さんも多いでしょう。実は、レントゲン撮影の開始時期に明確な“〇歳から”というルールはありません。大切なのは年齢よりも、お口の状態や治療・予防の目的に応じて判断することです。

例えば、こんなタイミングでレントゲンが検討されます。

  • むし歯が多く、隠れた部分にも広がっている可能性があるとき
  • 歯がなかなか生えてこない、または抜けないとき
  • 歯並びや噛み合わせに心配があるとき
  • 永久歯の生え方をチェックしたいとき

一般的には、乳歯列が完成する3歳頃から、必要に応じてレントゲンを撮るケースが増えてきます。とはいえ、頻繁に撮るわけではありません。基本的には、子どもの口の中に変化があるときや、診断を正確にするために必要なときに限って撮影されます。

また、小児歯科では、個々の成長や発育段階をふまえたうえで、最小限の頻度と範囲で撮影することを大前提としています。そのため、何度も撮ることを心配しすぎる必要はありません。

定期健診の際にレントゲン撮影を勧められたら、その目的や必要性についてしっかり質問し、納得したうえで受けるようにしましょう。親子で安心して通える診療環境づくりのためにも、信頼できる歯科医とのコミュニケーションが何より大切です。

親が知っておきたいレントゲン前後の注意点

レントゲン撮影そのものは短時間で終わりますが、子どもが安心して受けられるようにするには、撮影の前後に親ができる配慮がいくつかあります。子どもの不安を減らし、スムーズに検査を終えるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

まず、【撮影前】に意識しておきたいのは次の点です。

  • レントゲンが痛くないことを優しく伝える
  • じっとしている時間があることを事前に説明する
  • 恐怖心を与える言葉(放射線・被ばくなど)は使わない
  • 食後や体調の良い時間帯に予約する

事前にお子さんが安心できるよう、「お口の中をお写真で見せてもらうんだよ」といった、イメージしやすくやさしい表現を使うと効果的です。

次に、【撮影後】の注意点としては以下が挙げられます。

  • 撮影後は特に体に異常が出ることはないので、普段通りでOK
  • 医師から説明された内容はしっかり理解し、必要があれば質問する
  • 今後の治療や予防に役立つため、レントゲン画像を活用する

また、撮影の際に使用する鉛のエプロンは安全性を高めるためのものであり、子どもにとって「特別な装備」と感じることもあります。そうした体験をポジティブに受け止められるよう、「がんばったね!」と撮影後にしっかり褒めてあげましょう。

親ができる小さな配慮が、子どもにとっての歯科通いをぐっと安心なものにしてくれます。

終わりに

小児歯科でのレントゲン撮影については、不安や疑問を感じる方も多いかと思いますが、その多くは「子どもを思う気持ち」から生まれるものです。今回の記事でお伝えしたように、レントゲンは必要な情報を得るための重要な検査であり、安全に配慮された環境で行われています。

見た目ではわからないお口の中の状態や、成長過程での変化をしっかり把握することで、将来のお子さんの歯と健康を守ることができます。

何歳から必要なのか、どのタイミングで撮影すべきか、頻度はどうか――こうした疑問にも明確な指針があるわけではなく、個々の成長や状態に応じた判断が求められます。

親としてできることは、「なぜ撮るのか」「どのように安全なのか」を理解し、納得したうえで協力することです。それが、お子さんにとって安心できる歯科体験につながります。

大切なのは、ただ怖がるのではなく、正しい情報を知ること。レントゲンを正しく活用することで、子どもの笑顔と健康な歯を守る第一歩となります。今後の診療時にも、遠慮なく質問し、信頼できる歯科医と一緒に、安心のケアを進めていきましょう。